(ヘッドフォンを使用すると、さらにお楽しみいただけます)
三宅精一氏は1926年、
岡山県の倉敷市に生まれました。
ある日、三宅さんのよき友人の岩橋英行さんの視力が低下しはじめ、まもなく視力を失う、との診断がくだされました。
友人を手助けしたい、という三宅さんの誠実な願いが素晴らしい発明につながります。
1965年、三宅さんは私財を投じて視覚障害者誘導用ブロック(点字ブロック)を発明しました。
目の不自由な方々が、杖や足の感覚で識別できる2つのパターンがあります。
線状の突起があるブロックは方向を示し、点状の突起があるブロックは注意や警告を示しています。
1967年3月18日、岡山県立岡山盲学校のすぐ近くに初めて点字ブロックが設置されました。
その10年後、点字ブロックの敷設はJRの各駅で義務付けられました。
以来、三宅さんの発明は世界中で標準的なユニバーサルデザインとして導入されています。
この発明は視覚障害者の単独歩行に劇的な進展をもたらし、現在でも画期的な存在であり続けています。
しかし、まだ解決できていない問題が残っています。点字ブロックのユーザーが警告点状ブロックが敷かれた場所で立ち止まったとき、次の進路や分岐の方向をどうやって知れば良いのでしょうか。
...
数十年後、ヨーロッパではこの問題の解決に挑みます。スペイン・アリカンテ大学の研究者グループと斬新なアイデアを持つテクノロジーソリューション企業のネオシステックが視覚障害者の自立支援及び、生活の質の向上に役立つ技術の研究を開始したのです。
彼らは目標を達成すべく、約10年の月日をかけて人工視覚の技術に基づいた革新的なカラーデジタルマーカー「ナビレンス」を開発することに成功しました。
このマーカーは点字ブロックに簡単に同化できるので、視覚障害者に分岐点でその地点からのそれぞれの方向へのオプションを知らせることができます。三宅さんの発明した点字ブロックが更に有益な形で利用できるのです。
ナビレンスのマーカーは、スマートフォンで遠隔から自動的に読み取れます。それにより、方向のオプションやそれに関係する情報が受け取れます。
マーカーを認識するアルゴリズムには、新しい3Dサウンドシステムが備わっています。ユーザーはヘッドフォンを使用せずに、現在地、距離、方向の情報が受け取れます。
すてきな発明だと思いませんか?現在、世界中の視覚障害者を持つユーザーを支援するため、どのように機能しているでしょうか。以下のビデオでチェックしてみてください。どうぞお見逃しなく!
勇気と忍耐があれば、多くの人々の生活をより良い世界へと導くことができるーナビレンスは、それを実証したこの発明者に心からの敬意を表します。